スズラン、ササユリ、ショウブ。室生寺エリアの夏は、春にも劣らぬ花のシーズン。大輪の花を誇らしげに咲かせるものもあれば、小ぶりの花をうつむき加減に咲かせるものも。それぞれの個性が夏を彩ります。
向渕 スズラン
宇陀市室生向渕(むこうぢ)にある「向渕スズラン群落地」は、日本スズランの自生南限地として国の天然記念物に指定されています。日本スズランは園芸用のドイツスズランと違って、葉に隠れてひっそりと咲きます。保存地域内には入ることはできませんが、柵の近くに咲いているものは十分見ることができ、開花時には多くのカメラマンが訪れます。
深野 ササユリ
美しい棚田風景が広がる室生深野は、「日本の里100選」にも選ばれている風光明媚な集落です。2006(平成18)年から地域住民によって日本原産の希少なササユリの保護・増殖活動が行われており、この活動は2016(平成24)年、公益社団法人日本ユネスコ協会連盟が主催する「プロジェクト未来遺産」に登録されました。
滝谷花しょうぶ園 ショウブ
滝谷花しょうぶ園の1万坪の園内には池やあずま屋が配され、春先より芝桜、テッセン、ショウブ、アジサイなどの花々が咲きます。
室生寺 アジサイ
仁王門裏のバン字池周辺を、趣向を凝らしたアジサイの鉢植えが彩ります。「花の古刹」として知られる壷阪寺(高市郡高取町)、長谷寺(桜井市)、岡寺(高市郡明日香村)と連携して取り組む「大和観音あぢさゐ回廊」は毎年大きな人気を集めています。
青葉の滝
古くから行者の修練の場であった青葉寺の奥の、神秘的な樹林の間から流れ落ちるのが青葉の滝。源平合戦の際に平清盛が持っていた青葉の笛は、この地の藪の竹で作ったといわれています。
室生龍穴神社 ホタル
室生龍穴神社は室生寺よりも古い歴史をもち、水の神「高龗神」が祀られています。奈良時代から平安時代にかけて、朝廷の勅使により雨乞いの神事が営まれました。室生寺はこの神社の神宮寺と呼ばれた時代もあります。神社の上流には龍神が棲むと伝わる洞穴「妙吉祥龍穴」があり、古代から神聖な「磐境」とされてきました。
現在の春日造りの本殿は、奈良の春日大社若宮の社殿を江戸時代の寛文11(1671)年に移築したもので、奈良県指定文化財となっています。
毎年10月に秋祭りが行われ、2頭の獅子が五穀豊穣や魔よけを祈願して舞う「室生の獅子舞」は、奈良県指定無形民俗文化財に指定されています。ホタルの名所としても親しまれています。
室生へまぁ~より祭
龍鎮渓谷
室生湖に注ぐ、深谷川上流にある渓谷。渓流を遡ると現れる滝壺は、陽が当たると美しいエメラルドグリーンに輝きます。両岸に佇む龍鎮神社の拝殿や祠も神秘的な雰囲気で、宇陀の隠れた秘境の一つです。渓谷のせせらぎが涼やかな夏に加えて、龍鎮神社周辺の木々が色づき、清流に落ち葉が流れる秋の紅葉シーズンも人気です。














